共益費用の先取特権(民法307条)
1 共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、清算又は配当に関する費用について存在する。
2 前項の費用のうちすべての債権者に有益でなかったものについては、先取特権は、その費用によって利益を受けた債権者に対してのみ存在する。
【司法書士試験対策条文解説】
「財産の保存」とは、たとえば債務者が有する権利について時効中断行為をしたり、詐害行為取消権を行使するなどして、債務者の財産の現状を維持する行為です。
「清算」とは、債権の取立てなどをすることです。
「配当」とは、配当表を作成して配当を実行することです。
全債権者が以上のような費用の支出によって、利益を得たのであり、共益費用の先取特権が認められることが公平だからです。
ただし、この費用の支出によって利益を受けてない債権者に対しては先取特権を主張できません(民法307条2項)。
たとえば、ある債権者が詐害行為取消権を行使した場合です。
一般の債権者は利益を受けますが、抵当権を設定している債権者は特に利益を受けません。
ですから、この場合は抵当債券者には共益費用の先取特権を主張できないことになります。