抵当権の順位の変更(民法374条)
1 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
2 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。
【司法書士試験対策条文解説】
◇抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができます(民374‐Ⅰ)。
たとえば、1番抵当権者A(債権300万)・2番抵当権者B(債権500万)・3番抵当権者C(債権700万)の三者の合意で抵当権の順位を、1番抵当権者C・2番抵当権者B・3番抵当権者Aと変更することができます。
Cは依然二番抵当権で順位は変わりませんが、自分の後順位であったCが上へ行く以上、合意の当
事者となります。
順位をA・C・Bに変更する場合の合意の当事者はBとCです。一番のAにすれば二番と三番の順位変更は全く関係がないからです。
B・A・Cに変更する場合はAとBが合意の当事者です。三番のCにすれば上位一番と二番の順位変更はCには全く関係がないからです。
◇利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければなりません(民374‐Ⅰ‐ただし書)。
不動産の競売代金が1000万円だとすると、本来はAが300万、Bが500万、Cが2000万の配当となります。
しかし、C・B・Aの順に順位変更をすると、Cは700万、Bは300万で、Aは配当が0となってしまいます。この場合、Aに転抵当権者甲がいる場合、このままでは甲は不利益を受けるので甲の承諾がなければ順位変更ができないとなっているわけです。
他にこのような利害関係人にAの被担保債権の差押債権者、債権質権者などがあります。
ただし、Cの転抵当権者乙などは利害関係人になりません。三番抵当権が一番に昇格する結果有利になるからです。
二番のまま順位は変わらないBの転抵当権者丙などの取り扱いは争いがあります。
登記実務は、Aの債権額とCの債権額を比較し、Cの債権額が大きい場合には丙は利害関係人とします(少ない場合にはCやその転抵当権者などにとり有利だから丙は利害関係人になりなせん)。
◇順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じません(民374‐Ⅱ)。登記は順位変更の効力発生要件です。
この順位の変更は絶対的効力があり、すべての者との間で初めから変更後の順位で抵当権が設定されていたのと同様の効力が生じます。